大人しくて、心の優しかったちっち。
本当に手のかからない子でした。
いたずらしようとして、ちょっとでも黒子に「ちっち、だめだよ」と言われれば、二度と同じことをしない聞き分けのよい子でもありました。
だから、よけいストレスが溜まってしまうのか、ちっちの心の訴えなのか、ちっちは自傷行為をしていました。
それは、自分の耳の付け根と目の間、こめかみ付近を自分の足で掻き(蹴り)続けて、真っ赤に腫れたり、血がにじんだりするほど。
そして、毛が抜けてハゲてしまうほどでした。
ただ、これは、黒子2に聞くと仔猫の頃からやっていたそうです。
理由はわからないけど、クセなのか?
黒子が初めて気がついた時は、そりゃビックリしました。
だって、大切な顔の弱いところを自分で「ケッケッ」とがむしゃらに蹴っているのか、掻いているのか。
赤く腫れてかさぶたのように皮膚が硬くなっているような状態だから痒いのか?
やっている現場を見つけて止めて、一時よくなってきたと思って安心すると、見ていない隙にやっていて再発するの繰り返しでした。
ほっておくと、目が腫れぼったくなるほど酷くなるのです(涙)
その頃 ちっちは、晩御飯も終わり、テレビを見ながら寛ぐ黒子の膝に乗ってくるのが習慣になっていました。
ふと、自傷行為の傷を見ながら、どうしたものか、と思い悩んでいたある日、
「ここは、ちっちの大事、大事な所だよ」と言い聞かせながら、そこの場所を撫でてあげると、ちっちが黙って聞いてくれているような気がしたんです。
「ん?これは・・・」と思い、その日から、毎晩ちっちの自傷行為のところを撫でながら、「ここは、ちっちの大事、大事な所だよ」、
「ちっちは、私の大事、大事な子だよ」って言い聞かせました(笑)
自傷行為やっているのを見つけた時、止めるのではなく、撫でて言い聞かせるようにしました。
だけど、しなくなったんです(驚)
つねに赤くかさびたのような硬くなってしまっていた皮膚も、自傷行為が落ち着いてくるときれいになっていきました。
抜けてしまった「毛」が元通りになるには、ちょっと時間が掛かりましたが(笑)
それからは、黒子とちっちの日課になりました。
自傷行為をしなくなってからも、毎晩、膝に乗ってくるちっちを抱きながら、ちっちのこめかみを撫で、
「ここは、ちっちの大事、大事な所だよ」、
「ちっちは、私の大事、大事な子だよ」って。
自傷行為は、きっと、ちっちの何かの訴えだったんだと思います。
寂しいよ。
かまって。
私を見て。
・・・・・・・・・・。
自分の存在が受け入れられているのか、何かを訴えて求めていたのでしょう。
人間と同じですよね。
繊細な心を持っているが故に ぶち当たってしまうもの。
ずっと、ちっちのこめかみを撫でながら、
大丈夫だよ。
安心していいよ。
こんなことしないでいいんだよって、
そんな黒子の心にも応えてくれたんだと思います。